2014年1月から2月に当院に一年以内に来院されている7歳以上(犬と猫)の患者さんに健康診断のハガキを送付して、79頭の来院がありました。ありがとうございます。
7歳以上は、病院全体での46%(犬:49.2%、猫:38.6%)で、約半数がシニアに分類され、四頭に一頭は、10歳以上になります。
犬と猫で比較すると、14歳以上での割合が異なってきます。
犬の場合には、大型犬が小型犬より寿命が短い事があげられることと、心臓病や腫瘍で亡くなる割合が犬で多く感じます。
猫では、高齢になって腎不全や甲状腺機能亢進症になっていく傾向があります。
シニア検診では、年齢と共に疾患が増えてきますが、若い時からリスクが高い疾患と高齢になるとリスクが高い疾患に分けられるように感じます。
シニア検診からその傾向と対策について、考えていきます。
まず、若い時からリスクが高い疾患は、口腔疾患です。歯石対策です。全体の80%に何らかの歯科疾患がみられます。歯石が付着し、歯周病が進み最終的には抜歯が必要になるケースがあります。
多い理由が歯のケアができない、または不十分な事が理由です。
それでは、20%の歯がきれいな子はどうしているのか?というと、毎日の歯磨きやボール遊びなどの歯を使う事が重要なようです。なかなか、口の中を見る事もできない飼い主さんも多い事から子犬の時の接し方から十分説明と実演が大切なことが、重ねて感じました。
では、すぐにできる対策がないか?と考えますが、なかなか便利なグッズやガムのようなものはありません。それに、時間が経つ程、歯肉の影響がでてきます。歯肉ではなく歯石で歯を支えている子もいます。一端やせ細った歯肉は元に戻りません。その為にも飼い主さんには頑張ってもらわないといけないのです。
次に、肥満です。今回肥満の子は28%と四頭に一頭ですが、どちらかというと去勢や避妊をしていない子の肥満率が高くなっていました。去勢や避妊で肥満になりやすくなるのは、確かな事ですが、意識を高く太らないようにする事で体型を維持していました。しかし、猫での去勢、避妊後の肥満率は全体の割合の倍以上の66%とかなり高いものでした。
傾向としては、飼い主さんが優しく欲しがられるとどうしても与えてしまう傾向が強いので、「与えない!!」と言う事を決めても一時的で、リバウンドの方が大きくなってしまっています。
ダイエット対策として、野菜ステッックや手作り食で成功している飼い主さんも増えてきているので、今後もダイエットには色々方法があることと、太る理由をしっかり理解する事と、お互いにストレスを感じないで成功する方法をこれからも飼い主さんと相談しながら決めていきます。
では、次回は年齢を重ねると増える疾患について考えてみます。