前回多飲多尿とは、どれだけ水を飲んだら異常なのかを書いたのですが、
実は
多飲多尿(たくさん水を飲んでたくさんおしっこをする)だから必ず病気だとは言えません!
病気でなくても水をたくさん飲む事があります。
例えば、暑い日であったり、運動の後であったり、ストレスまたは緊張状態でも水分を多く飲む事があります。
更に、塩分の濃い食べ物を食べる事でもたくさん水を飲みます。
病気でない場合いは、その原因が改善すれば、水を飲む量はいつも通りにもどります。
しかし、病気であればその原因を治療しないと水を飲む量が改善しませんし
水だけでなく病気自体も進行してしまえば治らない状態になってしまいます
例えば糖尿病であれば血糖値を下げなければ水を飲む量がかわらないうよに
治療をおこなわなければ、ケトアシドーシスという状態になり、
ご飯も食べれなくなって治療をおこなっても亡くなるケースもあります。
それでは、
多飲多尿 プラス 他の症状で、病気の疑いがあるかを表からチェックしてみてください。
(大まかな分類なのであくまでも目安です。)
犬で多飲多尿になる多い病気は、
慢性腎不全、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、糖尿病 です。
猫では、慢性腎不全、甲状腺機能亢進症、糖尿病 になります。
その他には、高齢犬で、ヒート(生理)後2ヶ月付近で急に元気食欲がなくなる場合には子宮蓄膿症を疑います。
悪性腫瘍では、血液中のカルシウムの量が増えたり、肛門付近にしこりのような物ができることもあります。
病気を診断する事で、原因に対して治療をおこない早く治療をすることで回復する可能性が高くなります。
尿崩症は、決まった症状はみあたらないのですが、水分を制限すると体重が5%以上減ってしまい、脱水等の危険な状態になります。その為に、病院内で体重を量りながら、すぐにフォローができる状態で検査を行います。
この水分制限試験は、尿比重を計る事により心因性の多飲多尿と区別をします。
「多飲多尿と聞いて、何か病気の診断と関係がある」 と 思っていただければ、
このブログを読んでいただいた価値があると思います。
次回は、早い時期に気づく事でどんなことができるか?または、治療をしないとどうなるかを説明します。